星状神経節ブロック療法

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星状神経節ブロック療法とは

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星状神経節ブロック療法は、交感神経ブロックの一種で、ペインクリニックで最も多く用いられる神経ブロックです。どうして痛みを鎮めるのに効くのかといえば、1つは、痛みの伝導路を遮断してしまうからです。三叉神経痛(顔面に発作的な痛みを感じる神経痛)であれガン性の疼痛であれ、その痛みの伝わる道をブロックして、痛みが中枢へ通じないようにしてしまうのです。もう1つは、痛みの悪循環を断ち切る作用をします。神経ブロックの特徴は、効果がすぐにはっきりと現れることです。2週間もやってみなければ結果がわからないというような方法、薬物をだらだら使うような方法ではないということです。しかし、星状神経節ブロック療法だけはときに治療回数を多く必要とし、より特有の効果を発揮します。また、それに使用する器具もそれほど高価なものではなく、医療費が高くならず大きな効果が上げられるという、 いわゆる「費用対効果」の効率がすぐれているのも神経ブロック法の特徴です。

麻酔、注射

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どうしてそんな不思議ともいえる治療効果が得られるのかといえば、これは星状神経節ブロック療法が、自律神経系の中枢である視床下部に影響を及ぼし、全身的の交感神経の緊張を緩和するからです。

星状神経節ブロック療法のよくある質問

星状神経節ブロック療法は痛くないの?

注射ですので針を刺す痛みはありますが、細い針で行うため強い痛みはありません。
採血や筋肉注射よりは痛くなく、個人差によりますが、思ったほど痛くなかったというお声が大半です。

どのくらいのペースで通院したらよいですか?

症状にもよって通院ペースが変わりますが、大体1週間程度に1回ペースでご来院下さい。

星状神経節ブロック療法の作用

EFFECTS

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具体的な病気の例をあげると、高血圧の人に星状神経節ブロック療法を繰り返していると、次第に正常域まで血圧が下がってきます。そこでさらに治療を続けていると、血圧が下がりすぎて低血圧になるかというと、そんなことはありません。正常血圧に落ち着いて変動しなくなります。一方、低血圧の人に星状神経節ブロック療法を繰り返していると、次第に血圧が上がって正常になり、さらに続けても高血圧になるようなことはありません。これがこの治療法の際だった特徴の一つで、つまり、治療のいきすぎで症状がかえって悪化することはありません。どうしてかというと、これは体内に生じたいろいろな機能のアンバランスをもとの状態に復元しようとする作用「ホメオスタシス」(生体の恒常性維持)の機能を賦活する治療法だからです。

星状神経節ブロック療法は、その視床下部に作用して自律神経系、内分泌系、免疫系歪みを正しホメオスタシスを回復させる。体の部分的な修理ではなく、全体的な完全修理をする。全身まるごと療法ですから、さまざまな病気や症状の同時回復が期待できます。

自律神経系、内分泌系、免疫系

星状神経節ブロック療法の適用疾患

DISEASE

星状神経節ブロック療法が特によく効く病気には、次のようなものがあります。

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帯状疱疹、帯状疱疹後神経痛

帯状疱疹(帯状ヘルペス)は、過去に感染して、治った後も体に潜伏していた水疱瘡のウイルスが、発熱、過労、ストレス、強い紫外線、体の免疫低下などが引き金となって活動を始めたもので、神経節から末梢神経に沿って発症します。軽症の場合は薄いシミが残る程度ですが、重症例であったり、高齢者に発症すると、非常につらい難治性の神経痛が後遺症として残ることがあります。急性期の治療が重要ですのでできるだけ早期に、星状神経節ブロック療法を積極的に行うことをおすすめします。

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頭痛

頭痛はだれもが日常よく経験する症状で、大部分はカゼなどに伴う心配のいらないすぐに治るものですが、星状神経節ブロック療法が対象とする頭痛は、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛などです。このうち片頭痛と緊張型頭痛は星状神経節ブロック療法でよく治ります。ただ、長年の持病なので薬を常用している人が多く、薬からの脱却が問題の1つです。群発頭痛は星状神経節ブロック療法で効果が上がるものと、なかなか効果の上がらないものがあります。

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肩関節周囲炎

いわゆる四十肩、五十肩で、肩の痛みと運動制限を主訴とします。肩関節周囲の筋肉と骨とを結びつける丈夫なすじや、関節を滑らかに動かすための袋の慢性炎症が主体になっています。運動時痛だけでなく安静時にも痛み、夜間痛が強いのが特徴です。治療は、肩そのもののブロックや注射も考えられますが、基本は星状神経節ブロック療法がより効果的と考えています。

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ぎっくり腰

物を持ち上げようとしたとき、腰を不用意にひねったときなど、突然起こる腰痛です。椎間板ヘルニアなど多くの原因があげられていますが、ストレス刺激による交感神経過緊張がひき起こす例が多いと考えられています。治療は、これまで硬膜外ブロックや椎間関節ブロックを行うことが多いですが、最近は星状神経節ブロック療法がより効果的と考えています。

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椎間板ヘルニア

近年、椎間板ヘルニアの痛みが、脱出した髄核の機械的圧迫だけでなく、周辺の靭帯の炎症によっても起こることがわかり、また、ヘルニアの自然吸収があることもわかってきました。頚椎、胸椎、腰椎、どの部位に発生した椎間板ヘルニアであれ、まず星状神経節ブロック療法を行えば、ヘルニア周辺の細い血管の血流が妨げられた状態が改善されて、痛み、麻痺、炎症が緩和されます。

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変形性膝関節症

中年以降の女性に多く、ひざの痛み、動きの制限、水がたまるなどの症状が主な特徴的です。現代医学は鎮痛薬、太ももの筋力を強くする運動などを勧めていますが、思うような効果は上がりません。水症には関節穿刺と薬液注入を行われることがありますが、行わないほうがいいのです。ひざ痛に対しても水症に対しても星状神経節ブロック療法を丹念にくり返すことで効果があります。

星状神経節ブロック療法がよく効く病気には、次のようなものがあります。

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かぜ

星状神経節ブロック療法を30回以上行うと、かぜを全くひかないか、ひいてもごく軽くてすんだ、という人が圧倒的に多いです。ほかの病気の治療中の副効果としてかぜをひかなくなったことに気づいたのです。星状神経節ブロック療法をくり返したことで免疫系が強化されたからと考えられます。かぜをひいて熱が38、9度もあるというようなとき、星状神経節ブロック療法をやると、熱が下がり、かぜが治ってきます。それは、体の自然治癒力を高めるからです。

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扁桃炎

かぜをよくひく人は一扁桃炎も起こしやすいです。一扁桃は細菌などに対する抗体をつくる免疫機能を営んでいて、体の防御機構として重要な器官で安易に切除するのは考 えものです。扁桃がとても重要な免疫の器官であるというのは、医学的に認められている事実です。星状神経節ブロック療法を丹念にくり返すと、扁桃炎が起こらなくなり、病巣感染症も防げるし、体の免疫機能もより正常に導くことができます。

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口内炎

口内炎の症状は実にさまざまですが、口の粘膜の比較的広い範囲に生じた炎症を口内炎と総称しています。原因もまたさまざまで口の中に原因があって起こる場合と、 全身的な病気の症状として口内炎が起こる場合とがあります。口内炎には交感神経の過緊張がからんでいることが推測できます。それは星状神経節ブロック療法で急速に軽快して、再発しなくなった症例が数多く確認されているからです。

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乗り物酔い

乗り物酔いは、専門的には「動揺病」とも「加速度病」ともいわれます。NASAでは、宇宙飛行士の乗り物酔い対策を熱心に研究していますが、副交感神経の緊張が乗り物酔いの主な原因だろうといっています。自律神経の乱れが乗り物酔いに深くからんでいると考えられます。別の病気の治療で星状神経節ブロック療法を行っているうちに乗り物酔いをしなくなったという例は数多くあります。

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いびき・歯ぎしリ

いびきをかく病気の代表は、睡眠時無呼吸症候群で、鼻炎やアデノイド、上気道の病気や、糖尿病、心臓病、高血圧といった病気でもよくいびきをかきます。そうした病気でなくても、体の不調やストレス、疲労、酒の飲み過ぎなどで気道の働きがうまくコントロールできなくなると、いびきをかきます。星状神経節ブロック療法を受けるようになってから、いびきをかかなくなったという患者さんが何人もいます。

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水虫

水虫の正体はカビの一種です。現在、いくつかよく効く水虫の薬もできていますが、しかし、水虫を根治するのはほとんど至難の技といえます。星状神経節ブロック療法を何回か行うと、やがて水虫が治ってきます。それは体に現れていた交感神経の過緊張が緩和されるからです。そして、血液循環がよくなり、発汗がおさえられると自癬菌の繁殖に適さなくなり、水虫が治ります。

星状神経節ブロック療法と難病

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すでにいちおうの治療法は確立されているが、星状神経節ブロック療法のほうが
より治療効果が高く、根治例が多いという病気です。

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顔面神経麻痺

顔面神経が麻痺して顔の筋肉がうよく動かせなくなる顔面神経麻痺はいろいろな原因によって起こりますが、原因のわからないものも多くあります。原因のわからないものも、わかっているものも、結局は顔面神経に栄養を与える末梢血管が収縮したための現象と考えられます。顔面神経麻痺はもともと星状神経節ブロック療法の適応症の一つであり、治る例が多いです。それは末梢の血行が改善されるからだと考えられます。

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網膜血管閉塞症

ある朝起きてみたら眼の視野が欠損していたり、見えなくなっていたりするもので、ほとんどの場合、片方の眼だけに起こります。血管がけいれんし収縮するのが原因になっているものが多くて、それには星状神経節ブロック療法が非常に効果的です。ただ、血液の流れが止まった網膜は短時間に障害されるので、なるべく早くこの治療を始める必要があります。24時間以内に開始するのがいいでしょう。

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慢性副鼻腔炎(蓄膿症)

昔は子どもにとでも多く、このごろは数はへったが、治りにくいものがふえているといわれます。これの最もいい治療法は星状神経節ブロック療法です。アレルギー性鼻炎の人の半分くらいは蓄膿症を合併しています。また、蓄膿症が重症になると鼻茸(鼻ポリープ)ができてきます。鼻茸は手術をしても再発しやすいといわれていますが、星状神経節ブロック療法では、鼻茸の病態がアレルギー型であれ、非アレルギーであれ、きわめて効果的で、治ったあと再発しません。

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突発性難聴

ある日突然、難聴が起こる原因不明の病気です。原因不明といわれていますが、ストレス刺激などによる交感神経の過緊張によって、関係する末梢血管が攣縮し、血行が悪くなり、発症すると考えられます。いくつかの治療法が開発されていますが、星状神経節ブロック療法はその最も適切な1つといってよいでしょう。発症後1週間以内、遅くとも10日以内に治療を始めれば治りやすいことがわかっています。

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嗅覚障害

これにはにおいを感じないものと、逆ににおいに過敏になるものの2つのタイプがあります。呼吸性障害や嗅粘膜性障害は、原因である鼻の病気の治療をします。嗅細胞や脳の中枢に障害があるときはステロイド剤を服用したり、嗅粘膜に滴下したりします。しかし、ステロイド剤の治療には副作用がつきまといます。星状神経節ブロック療法の適応症の1つで、軽快する例が多いです。

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不妊症

顔面神経麻痺や自律神経失調症の治療で星状神経節ブロック療法を重ねていたら、子宝に恵まれたという例があります。現在は、不妊症となればすぐ妊娠誘発剤などの手を打ちますが、その前にもっと自然に妊娠することを考えるべきです。女性でも男性でも不妊に悩んでいる方は多いですが、星状神経節ブロック療法で恒常性維持を正せば、妊娠する例が多いです。

星状神経節ブロック療法の費用

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痛み治療の場合は、保険適応になります


星状神経節ブロック療法は、痛み以外に行う場合は自費診療となります。

初診料 3,000円(税抜)
再診料 1,000円(税抜)
星状神経節ブロック療法 3,500円(税抜)

星状神経節ブロック療法とガン

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ガンは、早く見つけて、手術するか、抗ガン剤や放射線でたたけば、治せると考えられてきました。「早期発見、早期治療」という合い言葉を疑う人はいませんでした。ガン細胞が、細胞分裂をくり返して1cmの大きさに成長するには短くても3年、長ければ30年もかかるといわれています。この成長速度の差は、さまざまな理由によるでしょうが、最も大きくかかわっているのは、免疫能なのです。

早期にガンを見つけて、その1個のガンを切除すれば治療完了とする考えは誤りです。1度ガンが生じた人は、また新たなガンが発生し、成長してくる素地をもっていると考えられます。実際、最初のガンの再発でも転移でもない、2次ガン、3次ガンの発生例はよく知られていることです。

ガン

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だれでもガン検診を受けるときは、不安感や恐れを抱くものですが、まして再検査の通知でもくると、不安と心配はさらに増幅し、最後にガンを告知されると、非常なショックを受けます。まして誤診であったら取り返すことができません。こうした一連の不快ストレス刺激は、免疫能を低下させます。腫瘍マーカーが診断に使われるようになりましたが、良性の腫瘍やほかの病気でも数値が変動することがあります。不確実な検査法だし、むしろ心配の種をふやし免疫能を下げる点でも問題があると思います。

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放射線をかけると一時的に痛みが止まり、腫瘍も縮小しますが、やがてまた具合が悪くなってくるのが普通です。抗ガン剤もそうです。一時的にガンが小さくなることはありますが、生体にひどい副作用をもたらします。しかも手術、抗ガン剤、放射線治療を行ったガンの末期は、激しい苦痛を伴う例が少なくありません。

医師も患者も、もっとガンと共存することを考えるべきです。それにはガン成長を促進する因子を取り除くこと、免疫能を下げないことです。最も重要なことは、免疫能を低下させないという、この一点です。いっさいの不快ストレス刺激を避けるか、軽減することです。むろん免疫療法が第一選択であるのは、いうまでもありません。免疫賦活剤と称してサイトカインを外から入れる方法では効果は期待できません。ガンは免疫疾患ですから免疫機能が正常であればガンにはならないし、低下した免疫機能を元に戻してやれば、ガンは消失あるいは縮小します。

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